ママへのマーケティングでおさえておくべき、子育てママの普遍的な3つのインサイト
2020.05.20
年間約100本を超えるマーケティング調査から、「ママ」という属性のインサイト(ママの視点に立って考えたママの欲求や気持ち、それに伴う行動実態)が見えてきました。このターゲティングの大きな特徴は、世代や嗜好性よりも「子どもを持つ母親」という特殊性の方が、行動様式や情報流通を定める要因が勝ることにあります。「出産・育児」には、生物学的なものに由来する普遍性があり、ママたちは年齢や世代を超えて共通の行動様式を枠づけています。そこで私たちは、子育てママには普遍的な3つのインサイトがあると考えています。
子育てママの普遍的インサイトその1「時短欲求」
マタニティー、出産に伴う女性のライフスタイルの変化は、人生においてもっとも急激で劇的なものであり、それまでの思考や行動を一変する人もいるほど生活が大きく変化します。中でも変化が大きいのが「時間」です。「トイレにひとりで入ることもできない」「お風呂上りには、化粧水をつける時間すら失われた」など、特にベビー期は24時間母親の保護を必要とするため、ママたちに課せられる身体的な拘束(授乳や抱っこ)は大きく、自分自身のために費やす時間は極端に減り、使える時間がかなり制約されることになります。そのため、ムダな時間を省くための情報や商品のニーズが自ずと高まります。ママ達にとって非常に関心度が高く、積極的に情報を取りに行くキーワードでもあります。
子育てママの普遍的インサイトその2「お出かけ欲求」
ママになり、大きな制限を受けるのは「外出」です。ベビーが生まれると、マタニティー期には気軽に行けた美容院やレストランなども、ベビーの預け先を確保しなければ出かけて行くこともできません。それまでの行動を変えざるおえない状態になります。「完全母乳のため、授乳を考えたりお昼寝の時間帯を気にしてあげないといけないため、お出かけのタイミングを合わせるのが難しい」「荷物が多くなるし、おむつ換えや授乳場所を探すのが大変、公共の場(特に乗り物)で泣き止まないときが辛い」と、ママたちはお出かけしたい気持ちをもちつつ、子どもを優先したい思いから外出を控えがちになります。子どもがベビー期から幼児期へ成長しても「食事を落ち着いて食べてくれない。走り回る。大声を出す」「いつハプニングが起こるか全く予想できない」など、ママが欲求のままに自由に行動することはままなりません。ママたちのお出かけに対する欲求が生まれる背景には、まわりの理解や助けがなければ出かけることも難しいという現実があります。
ママは家族や自分が喜ぶ体験などに積極的に参加したい。子どもとの体験、ママ自身の体験を求めている
子育てママの普遍的インサイトその3「共感欲求」
ママの生活は案外孤独です。先にも述べたように、特にベビー期のママは子どものタイムスケジュール(ベビーは昼も夜も関係なく、約3時間おきに目を覚まし、おしっこやうんちをして、ミルクを欲しがる)に合わせた生活をすることになるため、外出もままならず、誰とも会話をすることなく、ベビーとだけ向き合う生活をおくることになりがちです。「ベビーとふたりっきりだと自分が苦しい」「話し相手がほしい」「ベビーのことを気軽に相談できる友人がいたら、もっと楽になれるのに」と訴えるママもいます。また、「子どもを持つ母親」になったことで、ライフスタイルが変化し、それまで付き合いのあった友人とは疎遠になり、「弧育」ともいわれるベビーとだけ向き合う環境の中で、孤独な状況に置かれるママもいます。その上、はじめての育児による不安がママたちに付きまといます。このような不安定な状況の裏返しから、3つ目の子育てママの普遍的インサイト、「共感欲求」が生まれるのではないかと考えています。
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